2016.09.14 「『東京陵水』の編集に携わって」 を掲載しました。

「東京陵水」の編集に携わって   林 史欣(大8回)

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滋賀大学陵水新聞会OBとのことで「東京陵水」紙の編集に携わることになったのは、平成9年2月に木村信一先輩(本19)の後を引き継いでからである。今年(平成28年)の103号まで約20年間、編集に携わったことになる。

会員諸氏も周知のように、この7月に東京支部ホームページがリニューアルされ「東京陵水アーカイブ」として82号から103号までのバックナンバーが一挙に掲載された。81号以前のバックナンバーも近々に掲載する段取りが進んでいる。この時期に、これまでを振り返ってみたい。

木村先輩の後を引き継いだ翌平成10年1月号(74号)から、年2回~1回の編集発行を途中の変遷を経ながら新聞会OB諸氏と担当してきた。

まず紙面を編集者の交代で一新し、読者の関心を高めようと、インタビュー記事「こんにちは」、母校の現況問題点を取り上げた「彦根コンフィデンシャル」、支部年会費の増収を目指した「年会費納入者一覧」を掲載した。また、支部のクラブ活動報告、さらに年次総会の詳細など紙面多彩化を図った。

予算の範囲で記事のページ数の調整を図る。そのためには読みやすい紙面にと、B5版からA4版に変更、同時に活字のポイントを大きくした。

発行部数が卒業生の輩出による増加と相まって、郵送費が徐々に増え、支部予算を窮屈なものにしてきた。

そこで年2回の発行を1回にし、印刷所を変更して、コスト削減を図ることになった。年1回発行は情報の伝達に時期の遅れと滞留が生じるためページ数を増やし、また広告の募集を積極的に進め、膨らんでくる発行予算に対応した。

前任者交代以降編集部のスタッフに入れ替えがなく、取材や刷新のアイディアに不足し、高齢化による紙面のマンネリ化が見られる。新聞という紙・印刷文字の媒体とパソコンやスマホでみるネット(サイバー)空間のメディアとの共存・棲み分け・今後の方向が大いに気にかかるところである。

そこで、これからの「東京陵水」紙を展望してみると、活字離れが進む中で、いかにして記事の魅力で読者を惹きつけるかということにつきる。読者が当紙に期待するものは何か。イラストを伴う視覚化か、色彩が紙面に踊る輝きか、彦根の学生時代を懐旧するか、また著名人からの読み応えある寄稿か等々、魅力ある紙面構想が浮かんでくる。しかし充実した紙面作りには取材費、原稿料、印刷費などのより大きな予算が必要になる。またスタッフの充実による時宜を得た取材行動に依存する、情報の新鮮さが求められるのは当然である。以上のように今後に向けて問題を抱えているが、先ずもって年2回発行の復活が欲しいところである。

編集に携わってきて、原則を企画・提案・根回し・予算(きてねよ)に纏めた。企画に当たっては世に溢れている情報に注意しながら選択、取材をする。その結果を記事や紙面構成にまとめて提案する。編集スタッフに意見を聞き相談をしてコンセンサスを得る。そして最後にページ数、印刷代、発行部数に十分な配慮をする。

支部機関紙「東京陵水」が、同窓生の母校への関心、友情、学びし誇り、さらに懐旧の念をしっかりと結びつけ、これから「大学」を襲ってくる難局に対処するための一助であればと思っている。